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有限会社 北斗建装

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リフォームQ&A

OBSラジオ『住まいのお悩み相談室』Vol.23〜24
毎週木曜 12:30〜12:40放送

 娘2人が嫁ぎ、建てて30年が経つ家に、妻と二人暮らしです。その当時の住宅は、何年くらいもつのでしょうか?家を修理・修繕したほうが良いでしょうか?
(ラジオネーム ハイカラさんからのご質問 2015/8/6・8/13
放送)

 築40年になる木造二階建てに、妻と二人で暮らしています。県外にいた息子夫婦が地元に帰ってくることになり、同居しようかという案が出ています。家は、息子の家族と一緒に暮らすのに申し分のない広さではありますが、古いという事で耐震や住宅の寿命の面で不安だから建て替えたらどうかと言われています。思い入れのある家なので壊すのは勿体ないと私は思っています。一般的な木造住宅だと、築40年ではもう寿命なのでしょうか?
(リスナーさんからのご質問 2016/9/1
放送)

 住宅の寿命についてですが、これは正直にいうとピンキリであり、このご質問者様のお宅を見てみないことにはハッキリとお答えできかねる質問です。築30〜40年というと、ちょうどバブル期で建築ラッシュの頃に建てられた住宅かもしれません。

 一般的に言われている住宅の寿命は、日本が30年、アメリカが55年、イギリスが77年という数字です。寿命が30年と言われると大変短いので驚かれると思いますが、この木造住宅の寿命「30年」の根拠とは、実は「取り壊した住宅の平均築年数」(平成8年国土交通省の「建設白書」より)です。現実には、築40年・50年を経過してもまだ取り壊されず充分に使用できる建物も多いので、この数字が一般的な木造住宅の寿命を表しているとは言えない部分もあります。しかし、日本の住宅がかなり築浅なのに取り壊されているという事実には、本当に驚きます。そもそも良い住宅であれば取り壊されることにはならないと考えると、寿命からかけはなれた数字でもなさそうです。
 また、日本が30年というのに対して、イギリスは77年ということで日本の倍以上です。欧米と日本との数字の差にも驚かされますが、建築物に対する概念が、欧米と日本とで随分違うという事も背景にあるでしょう。「もったいない」という言葉を生んだ国と思えないほど、物を大事にしない風潮があるのも確かです。住宅のように、大きなエネルギーを費やす建築物が、他の国に比べて短いスパンで取り壊されているということについて、非常に残念に思います。
 あくまでも取り壊した住宅の平均築年数ですから、木造住宅の平均寿命の年数を表しているとは言いきれない数字です。
 また、もう一つよく目にする住宅の寿命として使われている「日本27年、アメリカ103年、イギリス141年」という数字は、住宅のサイクル年数といって、すべての住宅が入れ替わるのに何年かかるかを国際比較した調査の結果です。しかし、これらの数字をそのまま「住宅の平均寿命の年数」として本などに書かれている方もたくさんいるのが大きな問題のひとつとしてあります。こういった誤解を与える書き方が独り歩きしている現状は大変危惧しているところです。

 住宅の寿命年数で比較的信頼しうる数字となると、早稲田大学の小松教授らが行った「建物の平均寿命推計」の最新調査(2011年)というのがあります。この調査によると人間の平均寿命を推計するのと同様の手法を建物で採用した場合、木造住宅の平均寿命は64年としております。これが一般的な木造住宅の平均寿命としてはそこそこ現実的な数字ではないかと考えています。
 しかしその一方で、建て方、使う建材次第では百年以上、千年持つ建物も存在します。日本で最古の木造建築物は法隆寺ですが、これは世界最古でもあります。
 地震大国でありながら、数多くの歴史的建造物を遺してきた日本の伝統建築技術は、世界に誇る技術でもあります。この伝統建築技術と、一般住宅の建築技術には残念ながらかなりギャップがあるのも事実なのです。

 日本の伝統建築技術である木造建築は、世界に誇れる素晴らしいものです。用途や生活様式などが変化してきているという面も確かにあるでしょう。しかし、在来工法と呼ばれ流通している現代の木造建築には、その伝統技術の根幹がしっかりと伝わっていないように思うのです。まして、大手ハウスメーカーで主流のプレハブ工法、いわゆるツーバイフォー工法などは全くの別物、外国から入ってきた工法が元となっています。日本の気候風土とはかけ離れた国で作られた工法が、いまや大手ハウスメーカーで建てる家の主流となっていることに、大きな疑問を感じています。

 終戦直後、焦土と化した日本では、とにかく住居が不足していましたから、とりあえず雨風凌げれば良いという住居がどんどん建てられました。その後、迎えた高度経済成長期では爆発的な人口増加もあり、マンションや戸建てなども新築されて建築ラッシュの到来となりました。効率優先、経済優先の風潮の中、原価をおさえた住宅大量生産時代が長く、シックハウス症候群などの社会問題も起こすこととなった時代です。
 長い日本の歴史の中で、建物を建てるということに対する考え方が、この戦後から高度経済成長期までに根底から随分と変わったのです。ベルトコンベアーに載せるように新築住宅を建てては叩き売り、暮らし方に合わなくなったと取り壊す、まさに使い捨て文化の全盛期でもありました。この時代の風潮が、先に申し上げた取り壊した住宅の平均寿命が日本は30年…という驚くほど短い数字にあらわれているのではないかと思います。また、「木造住宅は弱い、もたないから、古くなったら建て替えよう」という間違った認識が浸透してしまったのも、この住宅大量生産時代の副産物かも知れません。
 こういった時代の流れに警鐘を鳴らしたり、疑問に感じていた建築関係者が、本来の建築をしていなかったわけではありませんので、この時代に建てられた住宅でも、よい建物は稀に存在します。残念ながら数は圧倒的に少ないですが。

 30年前に建てられた住宅の寿命はどれくらいかという質問に戻りますが、大量生産の木造住宅もどきでなく、本当の木造住宅であれば、適切な補修をすれば100年以上はもちますし、補修の方法も色々あります。補修・修繕をした方がよいのかというご質問ですが、よい家を建てて、長持ちさせたいのであれば、適度で正しいメンテナンスはある程度必要です。そのメンテナンスがあまりにも頻繁に必要な家は、そもそもよい家とはいえませんが。

 例えば当社で建てる新築は、メンテナンスが頻繁に必要でないように建てています。建てて10年程度で再塗装しなければならない家は建てたくないというのが正直なところです。残念ながら、巷にはそういった新築住宅があふれています。建てて数年で壁の塗装が剥がれる、屋根が劣化する、雨漏りがする…など。何千万もする新築を建てて決して安くない住宅ローンを毎月支払っているのに、10年も経たないうちに塗装をやり替えなければならない状態の家によく出会いますが、「全面塗装で100万円かかる」と業者に言われてよく我慢して支払うなと、正直思います。僕だったら築10年でそんな大金払いたくないですね。また、雨漏りのご相談ですと築3年目から雨漏りが始まったという家もあります。
 更には構造的な欠陥を抱える家も珍しくありません。「100年もつと言われたが、新築後3年目からこの家はおかしいと気が付いた」というご相談もいただきます。僕らは職業柄、全くトラブルや問題のない家に調査に行くことはありませんから、問題を抱えている家を専門的に見ることになります。その中で、「なぜこんな構造をしているのだろう」とか「基本的な建て方を間違えているのでは」という家が沢山あるのも事実です。それをどうかすると、木造住宅そのもののせいにされてしまう事が多々あります。「木造だから弱いんだ」とか、「鉄筋住宅だったら強いのに」とか。そういう事は全くないのですが。本当の木造住宅であれば、適切な補修をしていれば100年以上はもちます。
 
 良質な土地にしっかりした土台を造り、伐採された後も呼吸をして生き続けるよい木材(よい、は高いではない)を適材適所に使い、壁にも呼吸をする調湿作用のあるしっくいなどの塗り壁にして、屋根にはきちんと勾配をつけて塗装不要の陶器瓦を載せる。特別な家でもなんでもないのですね。もちろん私が発明したわけでもありません。昔から気候風土に合ったその土地の木材を、正しく伐採して加工して木材にすることで、生きたまま建材にできる技術があるのです。法隆寺に使われているヒノキも、その土地で育ったものですからその土地の気候に合っており、建材にされたあとも呼吸をしながら1000年以上も、その土地で建物を支え続けることができるのです。(もちろん腐った部分を切り落とすなど、大がかりな修繕は行われています)

 「取り壊した住宅の平均築年数」の日本の30年という数字ですが、この数字が日本の住宅そのものの寿命だと誤解を与えて一人歩きしていることも、日本の建築業界の問題をややこしくしています。「日本の住宅は、せいぜい30年と言われているから、それくらいしかもたない住宅を建ててもよいのだ」と考え違いをしているのではないかというハウスメーカーが沢山あるのです。大手でも小さな会社でも、せいぜい30年程度しかもたないのではないかという住宅を新築して販売している会社が山ほどあります。
 例えば『超ローコスト住宅』とか『コンパクトハウス』といったそういった類の名前で売り出されている住宅を僕は大変心配しているのですが。こういった住宅の何が問題かというと、コストを下げる為に、とにかく手間や材料、省ける所をどんどん省こうということで価格を下げています。ただ、建材のコストや手間を下げた時に、強度はどうなのか?調湿性はどうなのか?住み心地は?耐久性は?一体何年もつのか?…といった視点が抜け落ちています。安さを売りにした住宅だけでなく、一見豪華に見える住宅で、それなりの金額の新築住宅にも、実は同じ不安があります。手間や材料の省けるところを省いてコストを下げていると話しましたが、建築に関してひとつ確かなことは、ほとんどの手間は省いてはならない、ということです。確かに効率をよくするという意味で、無駄なものを省くことは企業努力として大切なことではあります。しかし使う材料にも手間にも、それぞれに意味があります。その意味を考えた上で簡略化できるか、減らせるか、ということを慎重に考えるべきなのですが、利益重視のために、大して考える時間をもたずに、カットしてしまう。建てた家の10年先、50年先のことを、建てることに携わる企業や職人たちが全く考えていないのです。そういった企業があまりにも多く、常態化している業界に、大変危惧を覚えているところです。

 こういった業界の意識が変わらなければ、日本の住宅はいつまでたっても目に見えるところだけ取り繕った安普請で、ほんとうに住宅そのものの平均寿命が30年ということになりかねません。業界の意識を変えるには、消費者の意識が変わることです。
 これから新築を建てる方には、ローンの支払いが終わる頃には、住むことの出来なくなっているような住宅ではなく、住めば住むほどに価値が高まるような、修繕しながら大切に住み継ぐ住宅を建ててほしいと思います。
 そして、既に建てられている住宅でまだ充分に住める程度の良い家は、ぜひ必要な修繕をして住み継いでほしいと思います。樹木を植えたり、森林を守ることも地球環境を守る大切な取り組みですが、我が家を大切にするということは、私たちが一番身近にできる大きな環境保護活動なのです。


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