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有限会社 北斗建装

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リフォームQ&A

OBSラジオ 『住まいのお悩み相談室』Vol.4
毎週木曜 12:20〜12:30放送

 『サイディングは建築材として、欠陥建材である』という北斗さんの記事を読んだことがあります。サイディングは本当に欠陥建材なのでしょうか?モルタルの方が壁材として優れているのですか?
(大分市 G様からのご質問 3/26放送)

 サイディングは、現在新築されている家の100件中99件に使用されているのではないかという位、主流になっている建材です。残念ながらこれほど流通してよい様な建材ではないのですが、使用するならばせめてその特徴や欠点を知り、必要なメンテナンスをするべきであるという事を、色んな所で言わせていただいています。もちろん、使用しないに越したことはないというのが当社の考えです。
 サイディングというのは、発売当初「塗装不要」という売り込みで流通した建材です。新築時に施した塗装が半永久的にもつから、再塗装やメンテナンスは要らない、だからコストパフォーマンスが良いと謳って普及しました。そのメリットが無いのであれば、そもそもこれほど流通していない筈の建材です。

 まずサイディングの第一の欠点は、継ぎ目があることです。最終的な仕上げの外壁材に継ぎ目が生じるというのは、建物として致命的な欠点といえます。継ぎ目の目地から、雨水が浸入してしまうということが建物への大きなデメリットとなるからです。裏からバックアップ材などで水が入らないようにしたところで、雨水の浸入は時間の問題です。サイディングの継ぎ目の目地はシーリングで埋めます。この、シーリングが紫外線によって劣化し、目地の中でボロボロになり継ぎ目を埋めるという役割を果たさなくなるのが、非常に早いのです。シーリング材のメーカーに問い合わせると、耐用年数は3年と答えたメーカーもあります。サイディングを使った新築を建てる施主さんは、こういった非常に短いスパンで目地が実質機能しなくなる、継ぎ目からの浸水リスクがとても早い段階で高くなる、ということを皆さんご存知ないと思います。大体平均して築10年をまたずに目地からの浸水が多少なりとも見受けられ、塗装をして保護し直すというケースが殆どです。塗装不要、という謳い文句は、なんだったのか、と言いたくなります。

A様邸

M様邸

H様邸

▲紫外線、風雨により劣化した目地。特に、コーキング材は紫外線に弱い。この劣化部分から壁体内部へ雨水が浸入することは、建物に様々なダメージを与える。

 第二の欠点は、経年に伴いサイディングそのものに反りが出てくるという大変大きな欠点です。反りの理由は、サイディングが蓄熱しやすい素材であるからということが大きい原因です。サイディングは比熱が低い素材なのです。比熱が低い素材というのは建材には向いていません。
「比熱」というともうお忘れの方も多いかと思いますが、中学校の理科で習います。比熱とは簡単に言うと1gあたりの物質の温度を1度あげるのに必要な熱量のことです。比熱は高くなるほど、温まりにくく、さめにくい性質をもっています。水は比熱が高いので、熱しにくく冷めにくい物質なのです。比熱が低いほど熱の変化が生じやすい、熱しやすく冷めやすい性質であるといえます。

 比熱の低いサイディングは、建築材料としては良い材料とはいえません。比熱が低いと何が起こるかというと、日中、太陽熱に温められて建材が熱を持つことで、内部の空気が温められ湿気の多い空気が壁体内部に滞留します。逆に夜になると低温になりますが、サイディングのような比熱の低い素材の場合、温度の変化は急速に起こります。水蒸気を含んだ空気が急激に冷やされて、空気中の水蒸気は水滴となります。これを内部結露といいます。窓ガラスを見るとわかりやすいのですが、壁内であのような水滴がびっしりついているわけですから、断熱材を濡らしてしまいます。内部結露による断熱材、クロスなどのカビが、近年社会問題にもなっているシックハウス症候群の原因のひとつとも言われています。
M様邸

S様邸

H様邸

▲意匠性サイディング(窯業系サイディング)のひび割れ。

 このように比熱の低いサイディングは、急激に温まったり、冷えたりというのを繰り返すのですが、これは建材の傷みに直結します。その結果生じるのがサイディング自体の「反り」や「ひび割れ」なのです。
 サイディングは比熱が低い為、こういった現象が大変おきやすい建材で、これが意外に知られていない最大の欠点です。(屋根のカバー工法でも、これと同じ現象がおきており、内部結露によるカバー材の反り、ひび割れなどが生じています。)

 しかし、何故かこれだけサイディングが主流になってしまっているという現状があります。当社が新築を建てる気になれない、リフォーム会社をしている理由のひとつでもあります。主流になっているので、「サイディングの家を建てたい」と思っている消費者の方も多いのです。本来、コストパフォーマンスがよいという利点はどこかに消え、意匠性を高めて高級建材であるかのように仕立て上げられて、普及している始末です。

★久長アナ「ここで、関連してもう一つ質問をいただきました。『お隣が、モルタル壁だったのですが、サイディングを上から張る工事をして、タイル調でおしゃれになりました。モルタルの上にサイディングを張るという工事についてはどう考えていますか?どのようなメリット、デメリットがありますか?』というご質問です。」

 まず、モルタル壁はひび割れができるから、材料としてよくないと言われてきました。それがサイディングの普及に一役買ってしまったともいえます。このモルタルのひび割れは、実はモルタル壁の責任ではないのです。仕上げにモルタルの表面に塗る塗料の選択間違いのせいで、ひび割れが生じてしまっているのです。モルタル壁の仕上げには、昔から使われている塗り壁とか、弾性系の塗料を上から塗布すれば、非常に保ちが良い上に、ひび割れも生じないのです。尚且つ、モルタル壁はサイディング壁ほど比熱が低くないので、温度変化はサイディング壁よりしにくいという利点があります。サイディングよりはるかに居住性が優れている材料といえます。

 モルタル壁はどのような建材かというと、砂(細骨材)とセメントと水とを練り混ぜて作る建築材料ですが、ペースト状で施工性が良く、仕上材や目地材、躯体の調整などにも多く用いられております。いわゆる塗り壁で、様々な形状にも対応できるという利点があり、丸みのあるアーチや、曲線を使ったデザインの住宅などの外装にも対応できます。素人でも施工できるサイディングと違い、塗るのにはそれなりに熟練した左官職人が必要となります。作業員であればサイディング壁は作れる。しかし職人でないとモルタル壁は作れない。これが、サイディングが主流になっている主な原因のひとつともいえます。サイディングは欧米では、いわばインスタントな住宅の代名詞でもあります。

 モルタル壁には、サイディングの致命的な欠陥がありません。目地が生じない。そして比熱がサイディングより高い。ですからサイディング壁に比べてモルタル壁そのものが蓄熱したり結露したりということが少ないのです。これは住宅を守る外装材としてはとても重要なことです。目地の有る無しは、雨水の浸入などに直結します。ということは居住性がサイディングよりずっと良いということになります。外壁の比熱が比較的高く、外気温に左右されにくいということは、それだけ室内の気温が安定するということでもあります。

 これまで多くのモルタル壁のお宅で、残念ながら表面にモルタルの伸縮に追随しない塗料ばかり塗られていたので、ひび割れが生じてしまうというケースが多くありました。実は、塗装業界の大きな弊害がここにあります。塗料というものは、作る側と使う側に格差があります。塗料メーカーはいわゆる理系で高学歴の研究者が、あらゆる素材に合った塗料を日々研究開発するところです。ですから、様々な素材に適した塗料が、実は用意されているのです。その数は何千種類もある。しかし実際、それを仕入れる塗料の卸屋や、それを使う塗装職人というのは、この知識が全く伴っていないケースがままあります。塗料というものは、正しく選択すれば素材を保護し、長持ちさせるものですが、ひとたび間違えばとんでもないことになります。保護のつもりで塗装したのに、その素材自体を傷める原因となってしまうのが、塗装の怖さと難しさです。更に現状では、塗装が間違っていたのではないかと思われる時に、その原因を究明したり理解しないままに、塗装作業に従事し続けている塗装業者がほとんどです。

 ご質問に戻りますが、サイディングが欠陥建材であり、モルタルは適した塗装を行えば優れた建材であるとこれまで述べてきました。モルタルの上に、サイディングを張るという壁カバー工法ですが、私には冗談にしか思えない工法です。モルタル壁の上からサイディングを張るというのは、モルタルの利点をなくし、サイディングの欠点を加えるということにしかなりません。意匠性の利点だけでこのような施工をするのは、お勧めできません。モルタル壁にサイディングを上張りした場合、モルタルとサイディングの内側面にはやはり内部結露が生じてしまいます。
 例えば金属製サイディングを張っているお宅は、白蟻被害に遭われているケースが多いのです。金属だと白蟻に強そう、というようなイメージがあるので、意外だと思われるでしょう。やはりそれも、金属製サイディングは内部結露が生じやすいことが大きな原因だと考えられます。壁体内部が常時湿気てしまう為、白蟻を寄せ付けてしまうのでしょう。金属サイディングでも、張る際にはやっぱり内部に木材を使いますから、そこがやられてしまうのです。極端な例ですと、ひとつの地域でサイディングを使用している住宅ばかりが軒並み白蟻被害に遭っているというようなケースも実際にありました。

 塗装しなくてもよくなると勧められて、モルタルの上にサイディングを張った方もかつては沢山いました。塗装しなくてよいどころか、モルタルよりも、サイディングの方が塗装によるメンテナンスが必要なくらいです。選ぶ際にはそういったことを踏まえて、判断された方がよいのではないかと思います。

⇒⇒次の Vol.5『自然素材について、調湿作用とは@』を読む


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