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有限会社 北斗建装

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リフォームQ&A

OBSラジオ『住まいのお悩み相談室』Vol.15
毎週木曜 12:20〜12:30放送

 塗装専門の業者から自宅の塗装の見積もりをとったところ、遮熱塗料をすすめられました。一般の塗料と比べて15万ほど高いと聞きましたが、この値段の差は妥当でしょうか。
また、遮熱効果は得られますか? 我が家はスレート屋根ですが、夏の日中2階はものすごい暑さです。
(リスナーからのご質問 6/11
放送)

 塗料を塗る目的というのはもちろん美装の観点もあります。見た目が綺麗になること。もうひとつ一番大切なのが保護の目的です。建材をメンテナンスするという目的で、その建材に適した塗料を塗装します。外装というのは年間通して紫外線を浴び続けるので、屋根はとても熱くなるし、外壁もサイディング壁などは太陽熱で反りが出るほど劣化します。それくらい太陽というのは、強烈なエネルギーで、それに加えて雨や強風などを最前線で受けるのが外装です。ですから決して見た目だけの問題だけでなく、定期的なメンテナンスという意味で、住宅を長持ちさせる為に塗装というのは大切なことなのです。
 さて、遮熱塗料と言うのは、熱を遮断するという効果を謳った塗料です。熱を遮断するから外装があたたまらず、真夏でも屋内が涼しいと言う効果を謳っています。これを屋根に塗ったから夏涼しく過ごせたなどといったことがメディアなどで過熱気味に宣伝された時期がありました。当社に塗装を依頼して来られる方にも「遮熱塗料を塗りたい」と言う方が近年増えています。当社に来られた方の中には、色々な塗装業者に見積もりを取ってから来られる方が多いのですが、遮熱塗料を使用する場合は高額になっています。僕らに言わせると、業者が遮熱塗料を勧めるのは、値段を吊り上げたい、高くとりたいときの言い訳のように使われているケースが多いように感じます。このご質問では、通常の塗料を使う場合より、遮熱塗料を使う場合は15万円アップするということでした。今までお客様から聞いた話では、遮熱塗料を塗ると言われてプラス50万円請求されたとか、ひどい業者の場合は100万円高く請求されたという方もおられました。
 普通に考えていただきたいのですが、塗装の値段の構成は、塗料の代金と手間賃です。やや手間賃の方が高いくらいなんですね。ですから、塗料代が少し高くなるからといって、簡単に15万円ほど高くなるということは僕はないのが普通だと思っています。
 ちなみに当社ではスレート屋根には遮熱塗料を使いますが、他の塗料と変わらない値段にしております。これは「遮熱塗料を使ったからいくらいくら高い」という業者が存在するので、あえて通常の料金と同じにさせていただいています。

 遮熱塗料の効果ですが、これは屋根の構造を考えていただきたいと思います。スレート屋根というのはだいたい昔の石綿スレートが4.7o、最近のもので5.2oの厚さです。塗装することによって、その上に薄皮1枚の、コンマ何oかの塗膜が形成されるわけです。
 スレート屋根の下には、ルーフィングというものがあります。これは結構遮熱性があります。更に、防水シートの下に12oの耐水べニア、いわゆるコンパネと言われるものが張られています。そして内部空間には、屋根裏の空気層があります。そしてその下に天井板がくるわけで、天井板には当然断熱材が上に敷かれています。その下が、2階の部屋という構造になっています。
 一番上にある瓦に、遮熱塗料を薄皮1枚の厚さ塗っただけで、2階の部屋の温度がどれだけ変わるのかという事になります。遮熱塗料を使うことによって、高い塗装代金を請求したい業者は、2階の部屋の温度が2℃から3℃、ひどい業者だと4℃から5℃違いますよと、いいます。これは100%ありえません。

 遮熱塗料が出始めたときに、当社では独自に検証したことがあります。10数年前になりますが、お客様には黙って遮熱塗料を使っていました。
 そして1年くらい経って、夏が過ぎたころに「実は遮熱塗料を使ったのですが、何か変わったことありましたか?」と聞いて回ったのです。すると10件中10件のお宅で「いや、気が付かんかった」と言われました。お客様もサービス精神があるから、おひとりくらい「そういえば少し涼しくなったかな」と言って下さる方がいるかなと思ったのですが、残念ながら本当にがっかりするくらい効果を実感されたお客様はいなかったのです。
 お客様は素人の方でも遮熱塗料を使いたがるので、ご要望に応えるかたちと、まぁ少しでも遮熱してくれるかもという淡い期待を抱いて、当社でも現在使用しています。しかし、効果の実感を得られないものに対して高く請求することはできませんので、材料代は高くなりますが、お客様には通常の塗料の価格と変わらない塗装代金しかいただいていません

★久長アナ「私たちの体感的にはあまり感じなくても、少しは効果はあるのでしょうか?それとも全く効果がないのでしょうか?」
 
 若干は効果はあるようです。体感できるレベルかということですが、例えば当社のにじが丘ショールームは、プレハブの平屋で、屋根が陸屋根になっており、鉄板を敷いています。当社が建てたものではなく、まだ小さな会社だった頃の賃貸からスタートしたショールーム1号店で、非常に安普請なのです。その陸屋根に遮熱塗料を塗ったら、夏の冷房の効きがよくなりました。ちなみに逆に冬は暖房の効きが悪くなったかなと思います。
 ただ、一般のお宅は、そういう貧弱な屋根にはしていませんので、正直なところ体感できるほどの効果はないのではと思います。

 常々言っていることですが、当社では検証することを大切にしています。業者の多くは、検証などろくにしないままお客様に勧めます。そういった業界のいい加減な体質は、シックハウス症候群やアスベスト、耐震偽装などのさまざまな社会問題に発展したことからも、容易に想像がつくかと思います。


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