大分のリフォーム・増改築、塗装、防水、エクステリア・外構、耐震補強工事……自然素材を生かした空間づくり

有限会社 北斗建装

自然を生かした空間づくり  

TOP | 施工例 | 選りすぐり施工例 | 当社の考え | 社員紹介 | Q&A | アクセス | 採用情報 

リフォームQ&A

OBSラジオ『住まいのお悩み相談室』Vol.217〜219
毎週木曜 12:20〜12:30放送

Q.キッチンリフォームはいくらかかるか、というご質問をいただいています。また、屋根・外壁の塗装をしたいが、家一軒でいくらか、というご質問もあります。電話やメールなどで、こういう工事をした場合、工事金額はいくらになるのか教えてほしいという工事代金についてのご質問が大変多く寄せられています。
(2019/4/25、5/2、5/9
放送)

 工事の値段を知りたいというお問い合わせは、当社でもほぼ毎日いただくご質問です。そのたびに同じお返事をしています。結論から先に申し上げますと、施工業というのは、現場を見ないことにはいくらかということは申し上げることができません
 お客様の心情としては、業者を家に呼んだり、おおげさになる前におおよその金額を先に知りたいというのは当然のことです。金額がいくらになるのか興味ないという方は恐らくいない、皆さん一番気になるところです。日々の生活のやりくりをされている中で、リフォームや修理・修繕・メンテナンスなどは、臨時出費なわけですから、現実的に支払うことのできる金額なのかおおよそでいいから知りたい。当然、資金の準備も心の準備もあるでしょう。
 また、まだ工事するかどうかわからないので、知らない業者を家に上げるのに抵抗があるという方も多いようです。近年、そういうことに抵抗のある方が増加傾向でもあると感じます。できれば電話やネットなど、顔の見えない状態で、情報だけを知りたいと仰る。そういった心情もわからないではないです。値段を知りたいだけなのに、家にあげたり、直接顔を合わせてしまうと、断りづらくなってしまうのでは。そういった心理もあるでしょう。

 例えば、畳の張替えのような工事であれば、部屋の畳数を聞けば大体の値段をいうことができます。よほど下地・根太が傷んでいるというようなイレギュラーなことが発生しない限り、張替えの値段は畳数から計算できる類のものです。
 しかし、多くのリフォームの場合、イレギュラーだらけなのが普通です。現状の住宅がどういうものか、間取りや劣化状況などが、現場ごとにそれぞれ違います。したがって、塗装工事、外構工事、大型リフォーム工事はもちろんのこと、簡単に思えるような住宅機器の交換といえど、現地調査なしに工事の見積金額は答えようがないのです。

◆モノの値段の考え方◆
 モノの値段は、外構であろうが、キッチンの取り換えであろうが、塗装工事であろうが、基本的には同じ考え方です。材料費と、手間賃、このふたつを足したものです。手間賃というのは、人工(にんく)という言い方もしますが、いわゆる人件費のことです。その工事に対してのべ何人分の手間が必要であったか、という算出の仕方をします。

◆適正な工事価格を見積もるには、現場での調査が不可欠◆
 キッチンを替えたいという工事の時に、特定の商品が決まっていれば、キッチンのような商品自体の販売価格は、お電話でもお答えできるものです。メーカー希望小売価格、仕入価格はおおよそ決まっているので、そこにいくら利益をのせるかという利益率は、会社によって定めているのが普通です。
 しかし、工事価格はそれだけではありません。現場がどのような状況であるかが、一軒一軒違います。同じキッチンを違う家に入れる場合、状況が同じということはあり得ないのです。そこで「現場を見せていただかないことには、工事価格がいくらかはお答えできません。」という回答となるわけです。替える手間がそれほどかからない現場と、替えるために工事が余計に必要な現場など、さまざまにあるわけですから。かかる日数も一定とは限りません。(現場を見ただけではすぐに施工費が算出できないようなケースだってあるくらいです。)

 例えば現場で寸法を測ると、新しく入れたいキッチンのサイズでは、もともとある窓が干渉するということがわかったりします。窓を移設するのか、それとも潰してしまうのかを現場で相談してお客様に決めてもらわなければなりません。または床に補修が必要なケースや、配管工事が新たに必要なケースもある。そういった現場ごとに違う状況を調査してから、施工費を計算するわけです。希望のリフォームがあり、現場を見ることで、希望のリフォームをかなえるために必要な工事が決まります。その具体的な工事内容が決まることで、おおよそのかかる日数が決まります。具体的な工事内容とおおよその工期が決まることで、人件費が算出できます。その現場に必要な作業員ののべ人数ですね。これが何人工という単位で算出されます。(施工費というかたちで見積書に計上されることもあります。)

◆u単価や、一律の値段設定をしている会社に要注意◆
 電話一本で値段を知りたがるたいていの方は、「現場を見させていただいてからでないと、工事代金はわからないのです」と丁寧に説明しても中々あきらめてはくれません。「そこをなんとか、大体でもいいので。」とおっしゃって、電話口に出たうちの社員をよく困らせています。雨漏りの修繕であろうが、屋根の葺き替えであろうが、家の塗装であろうが、電話一本で金額を知りたいと言われます。すぐに値段をハッキリと答えられる業者がよい業者だと思ってしまう方が多いのですが、実は、まったくの逆です。
 先におおよその値段が提示されると、確かに安心してしまいます。しかし、そのような現場を見ない状態での値段の問い合わせに対して、はっきりと「いくらです。」と答えられる会社一律に値段を設定している会社こそ、信用してはならないいい加減な業者といえるので注意が必要です。

◆u単価は、一式が算出されたあとuで割ることによって、あとから算出されるものである◆
 u単価というのは、私は、先に決められるものではないと思っていますが、ほとんどのリフォーム業者が先に設定しています。なぜなら施工を下請けに丸投げしている業者は、便宜上、下請けが出してきたu単価を使って算出するしかないからです。下請けまかせだと、適正な施工費の積算ができないのです。
 本来であれば、現場ごとに状況が違うため、例え同じ広さであっても、人件費などを含めた作業にかかる費用は、その現場ごとに違ってきます。それを算出した結果、その現場の広さで割る事で、今回の現場でのu単価はいくらであると算出することができるわけで、状況が違えばu単価も流動的に変化するもののはずです。
 ある全国大手のハウスメーカーに勤めていた頃、積算担当の人間がどんな見積書を作っているか見てみたところ、単価表を用いて見積書を作っていて驚いたことがあります。積算をして20年のベテラン社員であっても、20年間、単価表を見ながら入力しているだけだったりする。その単価表のu単価ってそもそも何を根拠に算出しているのかということを考えたこともないし、わかってもいない。単なる作業を繰り返しているに過ぎないのです。
 これは大手に限らず、一般的なリフォーム店でも同じ状況です。杓子定規に一律のu単価を先に設定して使っている。なぜなら、そうすることで考えなくてよいから、楽だからです。下請けの出すu単価に、自社の利益を上乗せしていくことが見積もりの積算だと、見積書を作ることだと、勘違いしている会社が殆どなのです。商品の取扱い説明書通りの取り付けしかできないような、ホームセンターなどの販売店がリフォーム業に参入したことも、こういった根拠のない見積書が横行するようになった理由の一つでしょう。

◆シロウトでも、見積書を読み解くことができる◆
 「いくらになります。」と渡されても、高いのか安いのかよくわからない。相見積もりを何社からとったとしても、どの金額が妥当なのか相場もわからないから、チェックしようがないという人は多いのではないでしょうか。安ければ不安だし、高すぎてもやはり不安になる。
 しかし、上記のような視点を持ち、モノの値段を考えられるようになると、どこかの業者で工事の見積書をとった際にも、見方が変わってくると思います。記載されている施工費(商品代金以外の人件費とおぼしき項目)を、予定されている日数で割ることで、一日あたりの施工費を出すことができます。そうすると、一日何人ぐらいのスタッフが現場に入る予定になっているのかがわかります。多少の差なら許容範囲内ですが、実際に入ったスタッフの人数が大幅に違う場合など、見積書の施工費の根拠を聞いてみるとよいと思います。
 工事の規模に対してあり得ない人数を入れるような設定になっているのではないかとか、そういった角度からの見積書の見方ができるようになると、いい加減な業者の、いい加減な見積書なんかに騙されないようになります。
 お客様自身が、適正価格により近いのはどこなのか、はっきりとまではわからなくとも、なんとなく掴めるようになってくることができるとよいですよね。そのような視点をもつことができれば、提示された見積金額に対してなぜこの金額なのかという健全な疑問が、生まれてくるのではないかと思います。一番安いからとか、有名な会社だからといった理由でなく、見積もり金額の疑問に対する答えが、納得いくものであるかどうかという、至極真っ当な理由で工務店を選択することができるようになります。

 残念ながら、施工費の算出の根拠を聞かれても、答えられない業者は結構います。根拠がなければ、当然、業者の懐具合でごまかすことが多いというのも事実です。

 正しい見積書とは、材料費と人件費を概算で出した上で、そこに正当な利益を計上して作成されます。“見積もる”とは、現場ごとに一軒一軒違う施工の流れを予測して、かかる費用を算出することです。現場の調査が不可欠であることはいうまでもありません

   

TOP | 施工例 | 選りすぐり施工例 | 当社の考え | 社員紹介 | Q&A | アクセス | 採用情報 

 トップページへ戻る前へ戻る