当社がI様の職域の互助会特約店という事で、ご相談を頂きました。
5年前に、当時築5年の現在のお住まいを購入されたそうです。

典型的なプロバンス調の建物でした。外部・内部共に大工さんの仕事も丁寧で、意匠性もなかなかのものでした。
ただ残念ながら、今回のご相談の主な目的となった外壁が問題ありで、外壁の珪藻土塗りが全く不完全なものでした。おそらく左官屋さんが塗材の使用量・下地処理の方法等全く解らないまま塗ったようでした。

おかげで珪藻土塗りの弱点がすべて強調されたような壁面の状態でした。
目地を中心に多数のひび割れ、下地の透けた壁面、さらにコケと藻が思い切り繁殖して全面濃い緑色になっていました。

実は1年前であれば、珪藻土塗りの壁面のトラブルは私共にとってもちょっと対処しにくい事柄の一つでした。
もっとも全部剥がして下地処理（目地処理が中心）からやり直せば一番良いのですが、費用が膨大で非現実的です。
キチンと施工されていても珪藻土塗りの壁は、汚れやコケ・藻の繁殖が懸念材料であった為、メーカーでは珪藻土塗りの壁の塗り替え塗料を以前から研究しており、1年ほど前に珪藻土壁の塗り替え用塗料が発売されておりました。
そこで当社としても（聞くところによると県内でも）、初めての珪藻土壁の塗り替え工事となりました。

ただ残念ながら、塗り替え塗料は弾性塗料ではない為（※弾性塗料を塗れば珪藻土の意味が無くなる）、綺麗にはなるが、目地のひび割れリスクはそれほど解消しないという事をI様に重々お伝えした上で、工事に掛からせて頂きました。