当社が毎年出展している『おおいた 人とみどりふれあいいち』（2014年春/大分市平和市民公園）に、Ｉ様がご夫婦でご来場下さいました。当社ブースにて塗装工事の施工例のパネルを熱心にご覧になっていました。お話を伺うと、ご自宅の屋根と外壁を「そろそろ塗装しないと…」と考えているとの事でした。
　ご自宅の屋根はセメント瓦で、以前までは知り合いの塗装屋さんやＩ様ご自身でも塗装をしていたそうです。しかし、自分で塗装するのも大変になってきたとの事で、相談してみようとご来場下さったとの事でした。業者に頼むからには、下手な（訪問販売系など）業者には施工してもらいたくない、きちんとした業者に施工して欲しいというご要望をお持ちでした。実は10年程前すぐ近所のG様のお宅の塗装を当社が施工していたのをご覧になっており、その時から当社に好感を持たれていたそうです。更に、Ｉ様は新聞などでも当社の記事をよくご覧になって下さっており、気になっていたとの事でお見積もりをご依頼下さいました。

　現地調査へは塗装部職長の篠田とプランナーの東本で伺いました。Ｉ様のご自宅は屋根はセメントのS型瓦で、外壁はモルタル壁の建物でした。外壁のモルタルは、サッシ廻りなどにクラックが生じていました。屋根は塗膜が剥げ、セメントの素地が見えている状態でした。Ｓ型瓦は瓦と瓦の重ねが少ない為、雨漏りを生じやすい瓦です。Ｉ様のお宅を調査した所、幸い雨漏りは生じておらず、更に屋根にとって一番大事な屋根勾配（4寸勾配）も充分とられている為、瓦を塗装をすれば大丈夫と判断しました。（※）　ご近所にも同じＳ型瓦を使用しているお宅があり、数年前に雨漏りしてしまったので屋根を葺き替えたそうです。

　お見積もり説明の際は、Ｉ様のお宅と近くだった事もあり当社の大在ショールームのオープンイベントに足を運んで下さいました。代表の小原がたまたまおり、プランナーの東本と二人でご説明いたしました。ご自宅に使用されている建材にはどういった塗料・施工方法が最適か、などを詳しくお話しさせていただきました。
　塗装は建築業界の中でも特に、訪問販売系業者だけでなく一般の業者、大手建設業者でも間違いの多い分野です。そういった現状やその原因などもお話しさせていただきました。 お見積もりの内容や、当社の考え方・施工内容などにご納得くださり、ご発注いただきました。

（※屋根勾配の少ないS型瓦の場合では、当社では葺き替えをお勧めする事が多くあります。）

　クラックには、モルタルに適した充填剤を使用し下地処理をきちんと行いました。塗料はヒビに追従する、弾性の塗料を使用しました。
　モルタル壁は、サイディングに比べ比熱が高いため、建材としては優れています。しかし、経年劣化によりヒビ割れが生じてしまう事から、敬遠される様になってしまいました。新築時からヒビに追従する塗料を用い保護すれば、とても長保ちする優れた建材なので勿体ない事です。現在あまりモルタル壁を使った新築住宅がないのは、ヒビが生じるからといった表向きの理由の裏に、モルタル壁を施工すると業者にとって利益が上がらないという本当の理由があります。サイディングには比熱が低いという致命的な欠陥（※）があるのに、意匠性を売りにして新築住宅の主流になっています。サイディングは安価で施工が簡単であり、業者にとってはメリットがありますが、住む人間にとってはデメリットしかありません。モルタルより安くつく筈の原価なのに、なぜか施主様に対しては高い値段を設定されている現状も、大変疑問です。
　悲しいことに、建築業界はそういった邪な理由から主流となってしまった間違った建材・工法があふれているのです。

　※比熱が低いと、日中温度が急激にあがり夜間急激に下がる事により、内部で結露を起こし、住宅に悪影響を及ぼす危険が高いのです。